あの大きな川は、 身を清め、飲み水ともなる、いのちの水であると同時に 身を預ければ、浄化され、赦され、あの世まで運ぶものともされていることから、 「いのちと終焉の川」 と呼ばれていた。 サーシャが身を投げた、ということは 死を選んだのだ。 だが、その死を真っ向から否定したイーザに、 声無き声でありがとうと言った。 イーザは今更になって、 自分が何故助けてしまったのか、 何故奴隷とわかってからもあんなことを口走ったのか、 そして何故サーシャに礼を言われたのかを疑問に思った。