あの後、未緒は、

風のように去っていった。

あれだけ、教室内を荒らしといて.…!

ありえない!




そして.…あたしはと言うと.…。




「七星さん、なんで隠してたんだろーね.…」

「どうせ、

未緒くんを一人占めしたかったんだよ.…」 

「うっわ〜性格悪すぎ!」



あたしを見ては、

女子が陰口を言ってる。

丸聞こえだし.…。

まあ、しょうがないよね.…。


学校の有名人に告白されたんだもんね.…。





って!///

相手は未緒なのに.…///


まだあの時の未緒の笑顔が

頭から離れない。



莉子「あ"ーーー!」
 

うなってるあたしに、

声をかける天使がいた。



歩美「莉子?気持ち悪いわよー?」



そう。歩美さまです。



莉子「そんなこと言わないでよ〜

   あたしだって、

   みんなに悪口言われて、

   傷ついてんの!!」


歩美「あら?

   私には、

   ニヤニヤしてるようにしか

   見えないけどー?」


莉子「そっそんなことないし!」



歩美は味方でいてよ〜。


でも、さすが親友…。 


あたしがそこまで

ダメージを受けてないことをわかってる…。






めんどくさいなあ〜。

女子って…。


って思ってるだけ。



別に、

あんな陰口に振り回されたくないしね!



歩美「じゃあ、

   めんどくさがりやの莉子ちゃんに、
 
   アドバイスをしてあげるわ」


莉子「…!おねがいします!」


歩美「私が思うに…あのね、

   莉子には、

   仲間は多くなくていいのよ。

   莉子のことを、

   よく捉えている人を

   信じればいいの。

   莉子になら、できるはずよ」
 





……あたしのことをよく捉えてる…?


…どーいうこと?

…それって…あたしのこと

ちゃんと知ってもらわなきゃってこと?…。




…じゃあ、

今のままじゃ誤解されたままだ!  




莉子「よし、あたし行ってくる…!」

歩美「いってらっしゃいー」




歩美の笑顔に勇気をもらって、

さっきの未緒みたいにする。



莉子「聞きたい人だけ聞いて!」



女子は、とても驚いてる。

男子は、好奇心の目でみてる。



すっごい嫌な雰囲気。



莉子「……あたし、

   あんな意味わかんない

   弟なんかに負けないから!!!

   好きとか知らないし!

   関係ないし!

   だから、普通に話してほしい!!」



しーんって、してる。


…ま、いいけどさ。

わかってたけどさ…。


まあ、あたしがこんな性格だって

分かってくれればそれでいい。
 


莉子「正直、

   あたしはもっと友達欲しいし!

   未緒たちのせいで、

   高校生活、無駄にしたくないから、

   静かに暮らしてたけど…。

   ほんとはいろんな人と

   話したいの!!……おわり!」



もう最後の締め方が分かんなくて、

自分でも

なに言ってるかわかんなかったよ…。


まー、しょーがない。



莉子「たっだいま〜!」



歩美のところに戻ると、大爆笑の歩美。

珍し…すぎてこわい。


莉子「なにさ…!」

歩美「ははっ…さすがね。

   さすがわたしの親友だわ」


莉子「……もう!

   そんな笑わないでよ!!」



なんか急に恥ずかしくなって、

二人で笑いあった。


歩美「男嫌い、治るといいわね?」

莉子「うん……ちょっと、

   がんばってみる…」