莉子「間に合った〜!」
自分の席について、
8時半になった時計を見て、一安心。
よかった〜。
あたしが、胸をなでおろしていると、
歩美がきた。
歩美「ちょっと!遅いわよ!」
莉子「ごめんごめん!
どーしたの?」
歩美「昨日の放課後、
修羅場みちゃったのよ!」
莉子「しゅ、修羅場?!」
歩美「そうよ!しかも……
美緒ちゃん!」
莉子「へっ?!
もしや…昨日の手跡…!」
歩美「そうそう!
思いっきり女の子に
叩かれてたわよ!」
なにがあったんだろ…?
美緒は、女の子の事好きだけど、
気持ちのない付き合いはしない。
ぜったい。
あたしは信じてる。
歩美「まあ…大体理由はわかるけど……」
莉子「はあ?!
歩美すご!」
【ガラガラ】
教室のドアが一気に開いた。
また、女子が入ってくる流れ?!?!
いやなんだけど?!?!
あたしは、目をつぶった。
美緒「莉子!」
莉子「え?!未緒?!」
驚いて、口が閉じないあたしに
どんどん近づいてくる。
莉子「ちょ、へっ?!
なに?!どーしたの?!」
焦ってるあたしをみて、
無表情のままこっちにくる。
こわいよ?!
いつもニヤニヤしてる未緒は
どこに行ったのさ!
と、あたしの机の前に来て、
立ち止まった未緒。
美緒「来い」
そのまま、引っ張られていくあたし。
.…周りは、
全く接点のなかったあたしたちだから
とても驚いてる。
付き合ってるの?!とかも聞こえる。
バンッ
未緒は、あたしを横において、
教壇のとこで先生みたいにした。
美緒「ちょっと聞いて」
んん?!
なんか言うつもりでしょ…こいつは!
美緒「俺たちさ、実は兄弟でー」
.….…。
.…はあああああああ?!
何を言い出すの?!意味わかんないし!!!
美緒「でも、血は繋がってないんだよね」
んんんんん?!
おいおい!
それも言っちゃうの?!
美緒「まあ、
そんなのどーでもいいんだけどさ」
.…どーでもいいんかい!!
って、
一人で心の中でツッコんでるあたし。
相当イタいやつですね.…。
美緒「俺さ、莉子のこと好きだから」
「「「.….….….….….….….….…」」」
教室内が、静まり返った。
物音一つしない。
不思議な空間。
そのまま、
1分ぐらいそこにいた全員の時間が
止まった。
そして、やっと頭が追いついてきた.…。
あたしは、
そのままダッシュで
自分の机の下に隠れた。
待って?!?!?!?!
未緒があたしのこと好き?!?!
冗談だよね?!?!
けど、未緒は、
人を傷つけるような
嘘はつかない.….…はず。
もう、なんなの?!
え?!え?!
えええええ?!
あーーーー!
もう、あたしの頭のなかは混乱状態。
絶対、顔真っ赤だよね.…?!
やだ!恥ずかしすぎ!
美緒「り〜こ!」
気づかない間に、
目の前にはニカッと笑う未緒がいた。
莉子「っ?!」
美緒「やっと、意識してくれた??」
「きゃー!」って、
女子からは歓声が聞こえる。
莉子「っっっ!//////」
熱い。
ほっぺたが、今までにないくらい。
心臓の音がこんなにうるさいのは、
はじめてかもしれない。
あれ?!
あたし、
未緒といつもどんなふうに接してたっけ?!
もう、前に戻ることなんてできない。
バカなあたしでも、
そんなことは自然に理解してた。

