教室で、歩美と話してる。


歩美「ひーくん…って……

   やっぱり、知らないわ」

莉子「歩美は会ったことないっけ?」

歩美「ええ。

   しかも、この学校でしょ?

   顔見たら、

   わかるかもしれないけど…」

そっか〜。

紹介したいけど、

ひーくんのクラス知らないし…。

特進と普通科は、校舎が違う。


ひーくんは、頭がよかったから

特進かもしれないな〜。

あたしはもちろん!

普通科!

バカですもん!


「きゃー!!!!!」



教室の窓の下から、

女子の歓声が聞こえた。


まただよ…。

どーせ、未緒たちでしょ?


もういちいち見るのも、

あたしはやめてる。


でも…今日は…。



「浩平様!」

「工藤くんがこっち見てくれた!!」


え…?

未緒たちじゃないの…?!


走って駆け寄ると、

そこにいたのは……。




莉子「ひーくんだ……」



見間違いなんてするはずない。

昨日あったばっかりだもん。


莉子「歩美!きて!」


あたしは、興味なさそうにしてる

歩美を急いで呼んだ。





莉子「歩美!

   あの人が婚約者のひーくん!」


歩美「…え?想像と全然違うんだけど…

   それに、工藤くんじゃない!」

莉子「え?知り合い?」

歩美「知り合いとかじゃなくて、

   学校では有名よ?

   女子に人気なのよ」

莉子「へー。

   全然知らなかった!

   今まで、女子の歓声は

   全部、未緒たちへの

   ものだとと思ってたし!」

歩美「工藤くんは、

   女子が苦手ってらしいわよ?

   でも、莉子なら大丈夫みたいね」

莉子「女子苦手なの?!

   あたしと似てる!」

歩美「あら、ほんとね。

   男子が苦手な莉子と

   女子が苦手な工藤くん

   もう結婚しちゃったら?」

莉子「もう!歩美!

   からかわないでよ!!」


歩美って、

すぐに誰かとくっつけようとするよね?!



……ていうか、

ひーくんって、そんなに人気なんだ…。


なんか、別次元って感じ…。


余計、会いにくくなっちゃったな…。