ついに放課後になってしまった。


午後の授業は全然頭に入ってこなかった。


歩美「莉子!

   ほんとにどうしたの?

   私に話せないようなことなの?」


歩美が本当に心配してる。

ちゃんと話さなきゃダメだよね…。

でも、あたしもいきなりすぎて、

よくわからない。



とりあえず、婚約者がいるということは分かった。


莉子「ごめん、歩美…。

   ちゃんと言うね…。

   実は…婚約者?がいるみたいなの…」


歩美「え?…」


莉子「っ…だからね!

   婚約者がいるの!

   あたしに!」



歩美「………はあああああああああ?!」




いつも大声を出さない歩美が、

目を丸くして声を上げた。




歩美「夢みたんじゃないかしら…うん。

   そーしかないわ!」


莉子「あたしのこと、

   バカにしてるの…?!

   もう…。

   さっきね…ママからの

   メールにそう書いてあったの…

   だから、たぶん本当…」


歩美「相手のこと知ってるの?!

   莉子の知ってる人?!」


莉子「わかんない…

   でも、とりあえず

   今日会うことになってる…」


歩美「今日?!

   うそでしょ?!

   こんな状態の莉子を

   知らない男に会わせるなんて

   不安すぎるわよ!」



あーーー!

もうほんとにわけわかんない!

さっきから、

ずっと頭がふわふわしてる。
明日誕生日なのに~!



なんで今日言うの?!

ママ!!!!