MAOU LIFE

~MAOU LIFE 23日目~

魔王「雪か…」
魔王妃「思い出しますねー、新婚の時のクリスマスの夜」
魔王「あぁ…あの時もこんな雪の日だったな」

ー新婚当時のクリスマスー

魔王妃「ゼクス様ー!このケーキ見て下さい!チョコレートの小屋が乗ってますよ」キラキラ…
魔王「うまそうだな、この小屋」

クリスマス用のケーキを買いにケーキ屋に来た2人。真っ白な生クリームの上にチョコレートで出来た小屋が乗っており、そこにサンタやプレゼントを模したマジパンも添えられているデザインのケーキを見て、アーシュははしゃいでいた。ゼクスはチョコレートの小屋に興味があるようだ。

魔王妃「ゼクス様、このケーキ買っても良いですか?」キラキラ…
魔王「上の小屋以外、全部食えるなら構わんぞ?」
魔王妃「えー…ゼクス様はケーキ食べないんですか…?」ウルウル…
魔王「生クリームが苦手だ」
魔王妃「生クリームの部分は私が全部舐めとります!」キリッ…
魔王「舐めとる…?まぁいい…店主、このケーキを一つくれ」
店主「ありがとうございます!」

アーシュの舐めとる発言にツッコミを入れたかったが、とりあえず放置してデコレーションケーキを1ホール購入した。

魔王妃「ありがとうございます、ゼクス様!」
魔王「小屋は貰うぞ?」
魔王妃「はい!あ、でもサンタさんは下さいね?」
魔王「構わん」

2人は手を繋いで帰宅する。アーシュはすぐにウキウキしながらエプロンをつけて、クリスマスのご馳走の準備をする。ゼクスは部屋着に着替えて、畳の上にごろ寝する。

魔王妃「ゼクス様ー?今日サンタさん来てくれるんですよね?」
魔王「まだくたばってないなら来るだろうな」
魔王妃「私、子供の頃からサンタさんに会うのが夢だったんですよ!」ワクワク…
魔王「あのじいさん、やたらハイテンションで我は苦手だな…」
魔王妃「どんなおじいさんなんだろう」ワクワク…

アーシュは子供の頃サンタに会いたくて、いつも眠気を我慢して待っていたが、いつも睡魔に負けて眠ってしまっていた。だが、今日はようやくその夢が叶う。サンタはゼクスの子供の頃からの知り合いだというのだ。正式には初代魔王(ゼクスの祖父)の飲み仲間だという。普通は成人すると来なくなるが、ゼクスの所には毎年やってくる。

魔王「常にハイテンションで、かつ常に酒臭い、肥満体のじいさんだ。去年会った時は医者から脂っこい食事と酒を控えるように注意されたとか言っていたな」
魔王妃「なんかイメージと違う…もう、ゼクス様の意地悪!子供の頃からの夢なんですよ?」プンスコ…
魔王「実際に会って幻滅するより、前情報入れといた方がお前の為だと思ってな」ハハッ…

そうこうしているうちに料理が出来た。アーシュは卓袱台に料理を並べ、座布団を2つくっつけて並べる。2人とも座布団に座り、グラスを持って乾杯する。ゼクスは発泡酒、アーシュは麦茶。

魔王妃「はい、ゼクス様、あーん」ドキドキ…
魔王「あむ…美味い」モグモグ…
魔王妃「喜んで貰えて幸せです」キュン…
魔王「…ソース付いてるぞ?」ペロッ…チュッ…
魔王妃「あ…ぅん…んっ…」チュク…

ゼクスはアーシュの口元に付いてたソースを舐めとり、そのままキスをする。アーシュも目を閉じて舌を絡ませる。

サンタ「えぇのぉ、えぇのぉ、興奮するわい!」ジー…
魔王妃「んっ……ひゃっ!?」ビクッ
サンタ「あー、ワシの事は気にせず続けとくれぃ!」ヒャッヒャッヒャッ…

いつの間にか鍵を掛けていた筈の玄関が開けられ、2人の後ろに赤い上下の服と帽子をかぶった老人が屈んでいた。白いモフモフしたヒゲを撫でながら、下品な笑顔で2人のキスを眺めていた。老人の腰のベルトには鍵を開ける為に使われたであろう、ピッキング道具がついている。

魔王「それではお構いなく…」チュッ…
魔王妃「あっ…んっ…ひゃう…だめぇ…」チュク…プルプル…
サンタ「ヒョー!いいのぉ!堪らんのぉ!」ムハー…
魔王「ぷはっ…今年は早かったな?」
魔王妃「…あ…ぅ…」ピクピク…

ゼクスは本当にキスを続行して、アーシュはキスの心地よさとガン見される事の恥ずかしさで、そのまま腰が砕け悶絶した。

サンタ「去年はトナカイが2匹、インフルエンザで倒れたからのぉ…おっと、そうじゃった」
魔王「ん?」
サンタ「メェルゥルゥルゥルゥリィーーーークルゥリィーーーースマーーーーース(巻き舌)!ヒャーッハーッ!!!!」
魔王「うるさい」
サンタ「いやー!しかし!ゼクスも大きくなったのぉ!少し前まではこんな小さくて…楽しそうに大魔王のせがれをガラガラで殴り回しておったのに!」ホーホーホー…
魔王「お前は全然変わらんな…」

サンタはポケットから酒を取り出すと、それこゴクゴクと飲んだ。高濃度の酒のようで、鼻が痛くなる程の強いアルコール臭の息を吐き出す。

魔王「酒はやめろと医者から言われたんじゃなかったか…?」
サンタ「飲まんとやってられんわい、こんな仕事!そうとうなブラック業種じゃよ、本当」
魔王「自分から始めたんだろうが…」

意外とサンタの仕事は一年中働き詰めで、3世界の全子供達のデータを部下の妖精に調べさせて収集、随時更新。良い子リストと悪い子リストに分け(3世界それぞれの基準に合わせる)、クリスマスの月までにリストアップ。それからプレゼントの発注と制作、配達日ギリギリまで作業が続くのだ。

魔王妃「う…ーん…」
魔王「アーシュ、お前の会いたがってたサンタだぞ?」
魔王妃「さ、サンタのおじいさん!」ハッ…
サンタ「アーシュも大きくなったのぉ!昔はおねしょばかりして良く泣いておったのに、今ではえぇ身体して、乳も尻もバインバインじゃのぉ!」
魔王妃「本当に…サン…タ…さん?」ヒクッヒクッ…
サンタ「今ではゼクスに毎晩可愛がられて、よがり鳴いておるんじゃろー?ん?ん?」ホーホーホー…
魔王妃「ゼクス様……前情報、もっと欲しかったです」プルプル…

サンタのイメージ像が音を立てて砕けていき、アーシュはガックリとうなだれた。

サンタ「さて、そろそろ行くかの、まだ人間界が残っておるしのぉ!」
魔王「あぁ」
サンタ「また仕事が落ち着いた頃に飲もう、と大魔王に伝えといてくれ」
魔王「会う機会が無いが、会ったら伝えておく」
サンタ「あと、アーシュ」
魔王妃「…はい?」
サンタ「お前さんとゼクスにワシからのプレゼントじゃ!」ホーホーホー
魔王妃「えっ?あ、ありがとうございます!」パアァァ…

サンタは袋から綺麗にラッピングされたプレゼント箱を取り出し、アーシュに手渡した。そして玄関でブーツを履き、ソリに乗って雪の降る夜空に飛んで行った。

魔王妃「何だろう」ワクワク…

アーシュがワクワクしながらラッピングを綺麗にほどき、箱を開けたその中には。

魔王妃「……………これって」
魔王「玩具だな………大人用の」

その後2人は何だかんだ激しく燃え上がった。

~MAOU LIFE 23日目~ 終