~MAOU LIFE 13日目~

天使長「もうすぐ18時か…」

リンデはチラッと時計を見ると机上の資料を片付けた。

天使長「では、アーリア様、お先に失礼致します」
天帝「あぁ、今日もお疲れ様」

定時の18時ちょうどにリンデは立ち上がり、アーリアに退勤の挨拶をして自宅(分譲マンション)に帰っていった。

天使長「ただいまー」

リンデは玄関で靴を脱ぎ、それを揃える事なくそのままにする。そして部屋のベッドに歩いて行きながら、仕事着である鎧と騎士服を脱いで床に放っていく。下着姿でボフンッとベッドの上に座り、テレビをつける。

テレビ「えー…いま天界では結婚出来ない、または結婚しないという人が増えており…」ピッ…

ここ200年程前から天界でやや問題になりつつある『結婚しない若者たち』を題材にした番組が流れてきたので、チャンネルを変えた。

テレビ「…なんでも、最近片付けられない女性が増えているようですねー。私もあまり他人の事は言えませんが、流石にここまではないで…」ピッ…

部屋の中が乱雑になって、脱ぎ捨てた服や食べかすやゴミが放置されている映像がうつり、リンデはまたチャンネルを変えていく。しかしニュースばかりで、更に内容が自分に突き刺さるものが多かったので、リンデはなんだか悲しくなりテレビを消した。

天使長「はぁ…私だって出来るなら結婚したいし…部屋だってもう少し収納スペースがあれば…」チラッ…

リンデは部屋を見渡す。部屋中には脱ぎ捨てた服が散乱しており、なかには異臭を放つ靴下なんかも混ざっている。ゴミも袋に入れてはいるが虫がたかり始めているものが部屋の隅や台所の方に放置されていた。

天使長「でも忙しいから片付ける暇も体力も無いし…周りは相手いる人達ばかりで更にみんな部下だからがっついてるとか思われるのも嫌だし…」

色々な言い訳をしながらリンデはシャワーを浴びる準備をして、風呂場に入る。当然下着も脱いでその辺に放置だ。

天使長「デス殿はいつも食事に誘ってくれるけど仕事の話しかないから、きっと私には興味ないだろうし…それに格好いいから普段からモテてるだろうしなー…それにもし興味を持ってくれても…私の姿を見たらきっと」

リンデは汗を綺麗に流してタオルで体を拭く。

天使長「このタオル…そろそろ洗わなきゃなー…」

使い回しのタオルなので生乾き特有の生臭いにおいが鼻につき、リンデは香水を体につけて部屋着(4日熟成の着ぐるみパジャマ)を着てベッドに戻る。そしてベッド上で次の日に着れそうな制服を探して、枕元に置く。

天使長「ちょっと疲れててキツいけど、早めに今日洗濯しとこうかな…」

とりあえずリンデは目に付く服を洗濯機にいれてスイッチを押す。洗っている間に食事の準備をする…といってもカップ麺だが。

天使長「あーぁ、恋人欲しいなぁ…」ズルズル…

年齢=いない歴のリンデは服に埋もれているBL漫画(男vs男の娘系)を発掘して読み始める。カップ麺を食べ終わっても、漫画に没頭している為に片付ける事も後回しで、あっという間に寝る時間になってしまった。

天使長「あ、もうこんな時間?寝なきゃ…やっぱり今日も片付ける時間無かったなー…」

それからしばらく日が経ち、リンデはついに着る服が無くなり(香水や消臭剤で臭いをごまかせなくなり)、渋々洗濯機に向かい、機械のフタを開ける。すると中からかなり蒸されたカビのようなにおいが漂ってきた。

天使長「くさっ!!えっ…何で?………あっ」

~MAOU LIFE 13日目~ 終