「余計なお世話よ。」
自力でも本気になることくらい出来ると言わんばかりに、セラは剣をふった。
少年が撃った銃弾を剣で斬るとセラはこの戦いを終わらせる為に走る。
その時セラは気づかなかった。
クロの姿がここに無いことに。
剣を大きく上げて振り下ろす。
「…やっぱり」
少年は避けなかった。
否、避けられなかった。
足を氷で固定されていたから。
「…やっぱりお姉さんは強いね。」
少年は消えない。
「お姉さんになら教えてあげる。」
すでに瀕死の状態であろうというのに。
「この世界の裏の顔を。生き残るというのがどういう意味なのかを。」
「…何が言いたいのかしら。」
「気をつけて。この世界からは誰も逃げられない。」
それだけ言うと少年は力尽きたかのように消えていく。
(光じゃない……?)
「セラ!後ろや!」


