世界が変わったといえば少女の服も変わっていた。

 さっきまでは学校指定の制服だったが、動きやすい中華風の服に変わっていた。

 (これも戦うためのものなのかしら)

「ねぇ、セラ。」

 少女の名前は志奈咲 星羅。

 少年はクロと名乗っている。

「この世界で戦って勝つと生き残れる。この世界で生き残ると元の世界に戻れる。」

 クロは重々しく言う。

 この世界で生き残るには、人と戦って勝たなければならない。

「この世界での人は瀕死状態になると光の粒になって消える。」

 遠くを見つめてクロは続ける。

「…最後の1人になるまで戦うのかしら。」

「いや、1チームになるまで戦うんだよ。」

 1チーム男女3人づつの6人チーム。

 チーム分けはこれから行われる。

 生き残ったチームの人間は現実世界に帰れる。

 例え途中で消えていたとしても

「チーム発表まで大人しく待っていればいいよ。僕は君の側にいるから。」

 セラはつまらなさそうに聞きながらクロにこう尋ねる。

「それはこの世界のルールなのかしら。」

「…そうかもね。」

 「そう」と呟いてセラは屋上で体育館が見える場所に移動した。

 (…こんな世界………)