架空世界に咲かせる氷の花


「なぁなぁセラ。」

 シンが話しかけてくる。

 セラは振り向かずに答えた。

「…何かしら。」

「ケイ、危ないかもしれんな。」

「………え?」

 予想外の言葉にセラはシンの方を向く。

 その顔には薄っすらとだが困惑が浮かんでいる。

「あんなケイ初めて見たわ。多分相当やばいで。」

「何が、やばいといいたいのかしら。」

「今のケイは何するかわからんって事。」
 
 セラは焦ったような顔になり「皆の所に戻って」とシンに言うとケイが向かった方へ走りだした。

「クロ」

 セラが呼ぶとクロは隣に姿を見せる。

「どうしたの?」

「ケイが危険かもしれないわ。」

「…ケイは体育館にいるみたいだよ。」

 セラは建物の屋根を飛んでいく。

 そして体育館の屋根についた時。

 そこにはケイと女の子の姿があった。

「…何しているのだろうね」

「静かにして、今から聞くから。」

 セラは体制を低くして聞き耳をたてる。

 「…もう私が最後の一人なの。」

 「……そうか。」

 「生き残らないといけない。」

 (柏木明日菜さんかしら。)

 現時点でチームが全滅しているという可能性は十分に有り得る。

 恐らく柏木明日菜以外のチームメンバーはもういないのだろう。

 その柏木明日菜の手元で光る何か。

「……あの子ナイフ持ってるよ」

 (確か、ケイは柏木さんに好意をよせてるって聞いた事があるけれど。)