二人の気持ち

着いたのは……中庭だった。

あれ?誰かいる……。誰だろ?


「秋人ー」


ん?どっかで聞いたこと……あるわけないか。


「人待たせておいて、おせぇーぞ。」

「ごめんー。この子だよ!……って君は?」

「あっ、川瀬 実紅です。アンの親友です。」

『……私、帰りますね。』

「え!?ちょっとアン!?」

「あー待って待って!名前くらい秋人に教えてあげてよ。」


あんまり名乗りたくないんだけどな……。
それよりも……


『私、名前知らないです。』

「へ?誰の?」

『その秋人さんです。』


え?ちょっと待って。なんで皆して固まってるの?


「アンカちゃん、今……知らないって言った?」

「ちょっ、ちょっとアン!忘れたの!?」


実紅が小声で聞いてくるけど…記憶ないし……。