『…ん……あ、行かないと……』


眠いな……でも、早く行ってたくさん練習しないと……。
鍵は閉めたし、弓と弦は持ったし……よし、OK!





キリッ……キリキリ…………ダンッ!


『ふぅ……』


まぁまぁ…かな?


「へぇ、自主錬?」


え?誰?

ゆっくりと振り返ると…………昨日ぶつかった人だった……。


「弓道部だったんだね。うわ、すごっ!ほとんど、的に近いじゃん!」


………………うん、無視しよう。シカトだ、シカト。

よし、集中、集中。


「え、無視?マジで?俺のこと知らないの?」


キリ……キリッキリキリ……


「柊 杏香ちゃん。」


えっ……


ヒュッ…ボトッ……


あ、大きく外しちゃった……って、そうじゃなくて!


「やっぱりそうなんだ。」


そう、この人はキョウカではなく、アンカと呼んだ。


『なんで……』

「なんで知ってるかって?」

『…違う……。どうして話しかけるの?』