その日、

冬の雨が降った。

辛い事があると、
雨の中でも傘をささないくらいには
俺は厨二病だった。


『リカの幸せを』そんな考えなど、
遠い過去のモノになった。

いつしか、
リカを好きでいる事は
俺の誇りだった。

それを、
嫉妬心というピックが、
氷を削る様にガツガツと砕いた。


びしょ濡れの中、

溶けた氷の屑を探し、
やっと拾ってもそれは、

雨に打たれて消えていく。


…悪いのは誰だ。


あのヤロウか。


イシザキ。


奴が、
高みから俺を見下して
笑っている様な気にすらなった。