「心当たりある?」
聖にそう言われて首を横に振る。
「そっか……でも、換気扇の点検が怪しいんだよなぁ……」
聖はそう独り言のように呟いた。
「で、でも換気扇の点検に来てくれた人、私は全く知らない人だったし……」
それに……。
「ちょっと待ってて!」
私はリビングに行って、テーブルの上に置きっ放しになっていた点検の紙を手に取った。
それを廊下にいる聖たちの元へ持って行く。
「これ……点検しました。みたいな紙……」
その紙を聖に渡す。
それをジッと見つめる聖。
聖はスーツのポケットからスマホを取り出して電話をかける。
「…………チッ!」
電話を切り、舌打ちをした聖。
「この電話番号は現在使われておりません。だってさ」
「えっ?」
じゃー……やっぱり……。
あの人が……。
換気扇の点検を来た人の顔を思い浮かべて、急に恐怖が襲ってきた。



