「一人暮らしいいなぁ」
ソファに座りクッションを抱えた理香がそう言ってきた。
「そう思うでしょ?私も最初はワクワクしてたんだけど、そうでもないよ?」
「そうなの?だってさ、親にガミガミ小言を言われることもないしさ」
「まぁ、それはあるけど。でも何かと大変だよ。今まで親がやってたことを全てしなきゃいけないしね」
それに隣人は変人だし。
「あー、それはあるね。掃除とか洗濯とかね」
「そそ。ご飯作るのも面倒だし」
私はそう言って、ポテチを摘んで口に入れた。
「あっ!そうそう!さっきね、マンションの入口に変な男がいたの」
「えー、マジで?」
「私がエントランスに入ったら、その男も一緒に入って来てさぁ。エレベーターに一緒に乗ろうとしたから急いでドアを閉めてやったわ」
「何それ、こわっ!」
「でしょ?」
「でも住人だったりして」
もし住人だったとしても知らない男性と2人きりでエレベーターに乗るのは怖いよね。
それから理香と他愛もない話で盛り上がった。
明日が休みなら泊まっていってもらうけど、明日も学校だからそうもいかず……。
夜、理香は自宅へ帰って行った。



