水島先生の方をチラ見する。
筋張った綺麗な手に、ハンドルを握る長くて細い指。
綺麗なアゴのライン。
ダメだ……。
水島先生を見てると、本当に倒れそうになってしまう。
なるべく水島先生の方を見ないように……。
「なぁ、桐野?」
助手席の窓に目を移そうとした時、水島先生に名前を呼ばれて肩がビクンと揺れた。
「は、はい」
なるべく水島先生の顔を見ないようにして、水島先生の方を向く。
「ご飯、ちゃんと食べてる?」
「あ、いや……」
「じゃー……これから何か食べに行く?」
「えっ?」
顔を上げると、水島先生がこちらをチラリと見てニヤリと笑った。
一瞬だけど目が合い、すぐに逸らした。
「なーんてな」
「えっ?」
「冗談。俺は今勤務中だし、桐野は体調不良だもんな」
水島先生は笑いながらそう言うと、私の頭にポンと手を乗せてきた。
思わず頭を避けてしまった私。
「あ、ゴメン……」
水島先生はそう言って手を引っ込める。
「ち、違うんです!」
水島先生が嫌とかじゃなくて……。
「ただ、ビックリして……その、すみません……」
「あ、いや、こっちこそゴメン……」
水島先生が再び謝ってきた。
私のセイで雰囲気悪くしちゃった。
どうしよう……。
もう泣きそうだよ。
でも、ここで泣いたら、また水島先生に迷惑かかってしまう。
私は流れそうになる涙をグッと堪えていた。



