しばらくして、水島先生が保健室に入って来た。
「桐野?大丈夫か?」
「はい……」
恥ずかしくて、水島先生と目を合わすことが出来ない。
「西野先生、お手数おかけいたしました。ありがとうございました」
水島先生はそう言って、西野先生に頭を下げた。
「いえいえ。桐野さん、今日はゆっくり休んでね」
「はい」
「じゃあ、行こうか」
水島先生が私のカバンを持った。
「あ、えっ?」
さりげない気遣い。
突然のことで驚いたけど、嬉しさが込み上げてくる。
これが聖だったら、1人だけさっさと保健室を出て行くに違いない。
しかも、遅いだの何だの文句も言われるだろうな。
……って、何でこんな時に聖が出てくるのよ!
私は、西野先生に頭をペコリと下げて保健室を後にした。
「桐野?車を回して来るから、校門のところで待っててもらえる?」
前を歩いていた水島先生はそう言って笑顔を見せた。
「はい」
水島先生は私のカバンを持ったまま職員玄関へ。
私はいつも使っている玄関へと行った。



