しばらくして西野先生が私の荷物を持って戻って来た。
「制服に着替えてね」
ベッドの横に荷物を置いて、ベッドの上に制服を置いてくれた西野先生。
「ありがとうございます」
「着替えたら教えて?」
「あっ!西野先生!」
部屋を出て行こうとした西野先生を呼び止めた。
「ん?」
「あの、本当に聖が……あ、いや、聖先生が私を運んでくれたんですか?」
私の言葉に目を大きくする西野先生。
でもすぐにニッコリと微笑むと
「本当よ」
そう言って、長い髪を耳にかけた。
うそ……。
あの男が?
あの性格悪い聖が?
信じられない……。
「聖先生ね、桐野さんをお姫様抱っこして、走って来たのか汗だくでカッコ良かったわよ〜」
お姫様抱っこ……。
この私を……。
「私、惚れそうだったんだから」
西野先生はそう言ってクスリと笑った。
やめといた方がいいですよ。
なんて言えず……。
てか、西野先生は新婚さんじゃないですか!
左手の薬指にキラリと光る結婚指輪が見える。
「そうなんですね」
そう言って、作り笑いしか出来ない私。
「明日にでもお礼を言っときなさいよ」
「はい」
西野先生は笑顔のまま部屋を出て行った。



