何とかパスタとサラダが出来て、いつもより遅い晩ごはんになった。
ダイニングテーブルに聖と向かい合わせに座り食べる。
黙々と食べてる聖。
「ねぇ、美味いとか不味いとかなんかない訳?」
「普通」
聖はそう言って、また黙々と食べ始める。
「普通って……」
まぁ、不味いって言われるよりいいけど。
「聖って、車の免許持ってないの?」
パパとママがいた時には賑やかに食事してたから、一緒に食事をしている人がいるのに、このシーンとした空気に耐えられなくて、どうでもいいことを聞いてしまった。
「うん」
「珍しいね」
「そうか?」
「うん」
大人の男性って、みんながみんなじゃないけど、大抵の人は免許を持ってるもんだと思ってた。
「何で持ってないの?取れなかったとか?」
「必要ないから。だって、ここって徒歩圏内に駅もコンビニもスーパーもファミレスもあるし。駅前にはショッピングモールも出来たし」
「ふーん……」
まぁ、確かにここは便利いいけどね。
じゃあ、ここで晩ごはん食べる必要ないじゃん。
歩いてコンビニでもスーパーでも買い物に行けばいいし、ファミレスに食べに行ってもいいのに。
何でワザワザうちで食べる訳?



