玄関の呼び鈴が鳴った。
はやっ!
とりあえず、ソファの上の洗濯物はリビングに隣接してる和室に放り投げて……。
それから和室の扉を閉めたら完璧。
それから、それから……えーっと……。
リビングの中をアタフタしてる間にも玄関の呼び鈴が鳴り続ける。
もぉ!煩い!
私は小走りで玄関まで走り、ドアを開けた。
「煩い!」
「遅い!」
ハモった……。
「何回も鳴らさなくてもわかるっつーの!」
「お前が出て来ないからだろ?おじゃましーす!」
聖が勝手に部屋に上がる。
「ちょっと!聖!」
まるで自分ちのように廊下をスタスタ歩き、その後ろを私がついて歩く。
リビングのドアを開けた聖。
「綺麗にしてるじゃん。もっとグチャグチャなのを想像してたけど」
リビングに入り、勝手にソファに座る。
「あのさぁ……ここ、一応、私の家なんだけど……」
「あ?」
聖はソファに座ったまま、そう返事をしてスマホをいじり始めた。
ムカつく。
口から2度目の溜息が漏れた。



