全て終わって、教室に戻る。
クラスの女子は聖 真白の話題で持ちきりだ。
そりゃ、そうだよね。
おじさんかおばさんの先生しかいなくて、唯一の若い先生が水島先生で……。
その中に新しく来たイケメン教師だもん。
美香と話していると、さっきまで彼の話をしていた女子たちが私の周りに集まってきた。
「澪、聖先生とは知り合い?」
「えっ?」
「ほら、だってさっき体育館で……」
知り合いと言うか、お隣さんです。
とは言えない。
絶対に言えない。
集まってきた女子たちを見ると、私の答えを期待しているのか、目がキラキラしている。
理香、あんたもかよ。
「知り合いに似てただけ」
私はそう答えてエヘヘと笑った。
「そうなの?」
「うん」
「でも、あんなイケメンに似ている知り合いがいたなんてね」
ヤバい。
会わせて?とか言われたらどうしよう……。
その時、水島先生が教室に入って来た。
みんなが自分の席に戻っていく。
はぁ……良かった……。



