全校集会があって、それから離任式と着任式がある。
理香と一緒に体育館に移動。
長い長い校長先生の話があって、自然と溜息とアクビが出てくる。
周りを見ると、話をしていたりスマホをいじってたりしている生徒が多い。
先生に注意されても一瞬だけ静かになるけど、またヒソヒソと話し声が聞こえる。
どれぐらい時間が経ったのか……。
やっと校長先生の長い長い話が終わった。
次は離任式と着任式。
「ねぇ、ねぇ、どんな先生が来るんだろうねぇ?」
後ろから理香に話しかけられた。
「さぁ?」
「イケメンだといいなぁ!」
「そうだね」
私は苦笑いをして理香を見た。
「澪は水島先生がいればいいんだもんねー!」
理香は私の耳元で、囁くようにそう言った。
そう言われて、なぜか急に恥ずかしくなって顔が熱くなっていく。
体育館の舞台の上。
この学校を離れていく先生が挨拶をしている。
もし、水島先生がこの学校を離れることになったら……。
私は本気で泣くかもしれない。
自分で勝手に想像したくせに。
別に水島先生が他の学校に行くわけでもないのに。
泣きそうな私がいた。
その時……。
体育館の中が急に騒がしくなった。
特に女子が騒がしい。
再び舞台の方へ目を向ける。



