花火がよく見える橋の上。
沢山の人がいる。
私が迷子にならないように、彼は私の手を握ったままだった。
花火が打ち上がる度に、周りからは歓声が上がるけど、私と彼は黙ったまま花火を見上げた。
「何かあったの?」
突然、彼がそう聞いてきた。
「えっ?」
隣にいる彼を見る。
私を見下ろす彼は、何も言わずに相変わらず優しい笑顔で私を見てい。
「あ、ゴメンね。初対面なのに、こんなこと聞いて……」
彼の言葉に私はゆっくり首を振った。
「そっか……」
「アナタと昔の知り合いが似てるんです……とても……。ずっと会いたかった人に……名前も同じで……だから、ビックリして……」
「それは好きだった人?」
「はい……」
「そっか……」
彼はそう言って、再び花火を見上げた。



