「澪?俺が消えるまで、このままで、いて?」 私はコクリと頷いた。 「少しでも、澪の温もりを感じながら、消えたいんだ……」 「聖……」 さっきより身体が半透明になっていく。 「澪?ありがとう……」 「もう、喋らないで?」 私は聖の唇に、人差し指でそっと触れた。 もう、ほとんど聖の姿は見えなくなっている。 聖……。 ありがとう。 私を助けてくれて、ありがとう。 私の身体が軽くなり、聖の身体は完全に消えた。