むかし、むかしのお話です。
空の上には天使が住んでいました。
背中には真っ白な大きな羽根。
ガラス玉のようなブルーの瞳。
絹糸のような金髪の髪。
それはそれは美しい天使たち。
でも、その中に1人だけ
黒い服を着た天使がいました。
黒い瞳。
漆黒の髪。
まるで悪魔のような天使。
みんなからは黒天使と呼ばれていました。
ある時、神様は言いました。
ーー人間界に行って、
ある1人の女の子を助けて来なさい。
黒天使は人間界に行って、
女の子を助けることになったのです。
さらに神様はこう言いました。
ーーいいかい?
人間界の女の子に決して恋をしてはいけない。
黒天使は神様に聞きました。
ーー恋をすると、どうなるのですか?
神様は言いました。
ーー人間界の女の子に恋をすると……。



