マンションの前に着いた。
同じマンションに住んでるから、一緒にエントラスに入り、一緒にエレベーターに乗る。
「何階、ですか?」
「ん?10階」
「えっ?」
「えっ?」
私が声を出すと彼も声を出し、お互い顔を見合わせた。
「私も10階です」
「そうなんだ」
私はエレベーターの10のボタンを押す。
扉が閉まり、エレベーターが静かに上昇していく。
しばらくして10階に着いて、先に彼が降りて、その後に私が降りた。
まさか、部屋まで隣同士って事はないよ、ね……。
そんなこと思いながら、彼の後をついて歩く。
彼が玄関の前で止まった。
「じゃあ、俺の部屋、ここだから」
えぇぇぇぇぇ!!!



