理香がシャワーを浴びている間にボストンバッグを開いて中を見た。
服や下着が綺麗に畳まれた状態で入っている。
下着を聖に見られたかと思うと、嫌な気持ちよりも恥ずかしさが込み上げてくる。
「あぁ!気持ち良かった!」
理香がそう言いながらリビングに入って来た。
「それは良かった」
私はそう言って、ボストンバッグのチャックを閉めた。
「お昼、何食べる?簡単なものしか作れないけど……。それかピザでも注文する?あっ!その前に、理香の服を洗濯しちゃうね」
そう言って、立ち上がろうとした時……。
「澪、待って?」
「ん?」
理香に待つように言われ、その場に座り直した。
「何があったの?」
「えっ?」
理香から目を逸らす。
「そのボストンバッグ、澪のやつなのに外にあるなんておかしいよね?」
「それは……」
しまった!
自分のボストンバッグだと言わなきゃ良かった。
今更、後悔しても遅いけど。
「また秘密?私には言えないこと?」
「えっと……」
リビングに沈黙が続く。



