昼前に理香が我が家にやって来た。
途中、スーパーに寄って来たんだろう。
飲み物やアイスやお菓子を沢山持って。
「暑かった〜!もう服が汗でビチョビチョ」
そう言った理香の顔から首にかけて汗が流れていた。
「シャワー浴びる?」
「浴びる!」
理香はそう言って、玄関でサンダルを脱いだ。
「あっ!何か玄関の外にボストンバッグが置いてあったけど?」
「えっ?」
玄関の外を覗くと、玄関の角にボストンバッグが置かれてあった。
これ、私のだ。
聖の家に持って行ってたやつ。
まさか聖が置いたの?
聖の家に持って行ってたやつだから聖が置いたんだろうけど。
私はボストンバッグを手に持った。
「ちょ、澪?そんな誰が置いたかわからないやつ拾って大丈夫なの?中に何入ってるかわからないじゃん。警察に届けた方が良くない?」
「これ、私のだから大丈夫だよ。それより早く入ってシャワー浴びなよ」
「えっ?あ、うん……」
理香は不思議そうな顔をしながらボストンバッグに目を落とした。
事情を知らない理香からしたら、そう言いたくなるのもわかるし、不思議に思うのも無理ない。
もし私が理香の立場なら、同じことを言ってると思うし。



