「昨日、言ってくれたことって、嘘だったの?」
私の言葉に聖の肩が少し揺れた。
「あぁ……」
私に背を向けたまま、そう返事をする聖。
「私、あの言葉、嬉しかったんだよ?なのに……」
涙が溢れてきて、ポロポロと流れ落ちていく。
本当に嬉しかったのに。
その時……。
聖が胸を押さえながら、その場にしゃがみ込んだ。
昨日と同じように苦しそうに息をしてる。
「だ、大丈夫?」
聖の側に駆け寄り、背中を摩ろうとした。
「触るな!」
聖の声に手が止まり、肩がビクンと揺れる。
「あっちに行けよ」
「聖……」
「てか、自分家に帰れよ」
もう、これ以上、何を言ってもダメだと判断した私は、聖の側を離れ、リビングを出た。
そして、玄関を出て自分の家に帰った。



