休み時間、みんなが私の周りに集まってきた。
「澪?ちょっと来て?」
理香が私の手を引っ張り、教室から連れ出す。
黙ったままの理香に手を引っ張られ、連れて来られたのは屋上だった。
フェンスまで来た時、理香が私の手を離した。
「理香、どうしたの?」
笑顔でそう聞いた私。
だけど理香の顔には笑顔はなく……。
「理香?」
「ねぇ、何があったの?」
「えっ?」
「髪、切った理由」
「だから暑いから……」
「嘘つかなくていい」
「嘘じゃ、ないって……」
真剣な顔の理香。
理香の顔が見れなくて、地面に目をやる。
「1年の時から伸ばしてきた大切な髪でしょ?それを暑いからって理由で切れるわけないよね?」
「そ、それは……」
「親友の私にも話せないの?」
そう言われて、理香の顔を見る。
理香が少しだけ笑顔を見せてくれた時、私の目から涙がポタポタと零れ落ちていった。



