【先生×生徒シリーズ】先生の秘密




学校に行く前に通りかかった美容院。


美容院のガラスに写った自分の姿を見た時に、長い髪を見て悲しくなってきて……。


気付いたら美容院の中に入っていた。


水島先生のために伸ばしていた髪。


もうこの長い髪は必要ない。


美容師さんに何度も何度も聞かれた。



「本当に切っていいの?」



って。



「はい、切って下さい」



そう言った私の髪にハサミを入れる美容師さん。


床に落ちていく長い髪を見て泣きそうになるのを必死に堪えていた。


失恋したから髪を切る。


なんて、今時そんなことをする子は少ないのかもしれない。


だけど、私はどうしても髪を切ってしまいたかった。


それは水島先生を忘れるためじゃなくて、自分の気持ちをリセットするために。