でも聖のことだから、嘘とか冗談だよね?
私が騙されていたのが可哀想でそう言ったんだよね?
「聖、あのさ……」
だけどね、冗談でも嘘でも、そう言ってくれたことが嬉しかった。
「あのね、聖……」
「…………うっ」
聖が突然、苦しそうな声を出して、私の身体を離す。
眉間にシワを寄せ、胸に手を当て“はぁはぁ”と苦しそうに息をする聖。
「ひ、聖!?大丈夫?」
聖は私の問い掛けにも答えることなく、フラフラと立ち上がった。
「聖?」
「ゴメン……」
そう言った聖はフラフラした足取りでリビングを出て行った。
慌てて後を追いかけるけど、洗面所に入った聖は中から鍵をかけてしまった。
「聖?ねぇ、聖?」
ドアをノックするけど反応がない。
「大丈夫?ねぇ、救急車、呼んだ方がいい?」
「だ、大丈夫だから……救急車は、呼ばなくて、いいから……」
「でも……」
突然、苦しそうに息をした聖。
なぜ?
今までそんなとこ見たことない。
もしかして……。
何かの病気?



