「ひじ、り?」 聖に声をかけたけど、聖は何も言わないままで、ただ私の身体をギュッと強く抱きしめていた。 大嫌いは聖なのに……。 なのに、何で抵抗が出来ないの? 嫌だと叫んで聖から逃げることだって出来るのに。 魔法がかかったみたいに身体の力が抜けていく。 胸がさっきよりもドキドキと煩い。 「お前が、助けて欲しい時や、悲しくて苦しい時には俺がずっと側にいてやるよ」 「えっ?」 何でそんなこと言うの? ねぇ、何で? そんなこと言われたら私……。