「猫ちゃん、可愛いですね」
「ん?あ、あぁ」
彼は黒猫に目線を落として、黒猫の頭を撫でながらそう言った。
「触らせてもらってもいいですか?」
「いいよ」
彼の言葉に黒猫に手を伸ばして、体を撫でる。
黒猫は目を細めて喉をゴロゴロ鳴らしている。
「うわぁ!モフモフ!」
「……ぷっ」
彼が吹き出す。
「えっ?あ、えっと……」
「あ、いや、ゴメン。モフモフという表現が面白かったから、つい……」
「そんなに面白かったですか?モフモフ」
「あ、うん……」
彼はそう言いながら、少し肩をプルプル震わせていた。
そんなに笑わなくても……。



