気が付くと、自分の家じゃなく、聖の部屋の前に立っていた。
頭の中は真っ白で、どう帰って来たのか覚えてないくせに、ちゃんとマンションに帰れたことが不思議だ。
「ふぅ……」
深呼吸をして、玄関のドアノブに手をかける。
平常心。
いつもと同じようにしないと。
聖に何を言われるかわからない。
もう一度、深呼吸をして玄関のドアを開けた。
「おかえり。早かったな」
「ひゃっ!」
いきなり声をかけられて変な声が出た。
顔を上げると、昨日と同じように玄関の壁にもたれかかった聖の姿が目に入ってきた。
昨日と違うのは、顔が優しい。
てか、何で聖が玄関にいるの?
帰るとも何も連絡してないのに。
そもそも聖の連絡先、知らないし。
まるで私が帰って来るのがわかってたような……。



