理香に別れを告げて教室を出た。 数学準備室へ行く足取りは軽くもなく重くもなく普通だ。 いや、少しだけ重いかも。 それは手伝いが嫌だとか、そういうんじゃなくて、また水島先生と2人きりだと思うと緊張しちゃうから。 それに、さっきから胸もドキドキしっ放し。 「桐野?」 数学準備室のある校舎の階段。 その階段を上ろうとした時、後ろから声をかけられた。 ビクンと肩が揺れる。 ゆっくりと振り向くと……。 そこには、いつものように黒いスーツを着た聖が立っていた。