「噂をすれば……」
理香はそう言ってクスリと笑う。
「えっ?」
理香が向いてる方を見ると……。
私の胸がドクンと高鳴る。
「水島先生……」
屋上のドアのところに水島先生が立っていた。
水島先生は周りをキョロキョロして、私の方を見ると、笑顔になり、こちらに向かって歩いて来る。
「桐野?」
私の前に立つ水島先生。
さっきよりも胸がドクドクと激しく鳴ってる。
「は、はい」
「今日の放課後、暇?」
「えっ?」
「ちょっと手伝って欲しいことがあって……」
「えっ?えぇ!」
「相葉も」
水島先生は理香の方を向いた。
「私は部活があるんで無理です。先生、ゴメンね」
理香はそう言って、顔の前で手を合わせた。
「そっか……」
水島先生はそう言って、少し残念そうな顔をするけど、すぐに笑顔になって、私の方を見た。
「桐野?放課後、いい?」
「あ、は、はい」
「放課後、数学準備室に来て?」
「は、はい」
水島先生はそれだけ言うと、屋上を出て行った。
放心状態の私。
水島先生から用事を言われるなんて初めてで……。
「澪?チャンスだよ」
理香はそう言って、私に笑顔を見せた。



