「歳は?」
「25です……」
「25にもなって、親におんぶに抱っこで恥ずかしくねぇの?」
男は何も言わなかった。
ただ下を向いて、正座している足に添えた手をギュッと握り締めていた。
「こんなこと言われてムカついてるんだろ?悔しいんだろ?」
聖の問いかけに何も答えない男。
「自立しろよ」
「わかってます……だけど……」
「自立しようという気持ちがないだけだろ?何でも周りのセイにして、親に甘えて、自分に甘えて……。盗聴器を仕掛ける勇気があるなら何だって出来るだろ。その勇気を他のことに使えよ。ムカついて、悔しいと思ってんなら頑張ってみろよ。そんで周りを見返してやれよ」
顔を上げて聖を見た男のその目には再び涙がいっぱい溜まっていた。



