「ちょ、桐野!マジで言ってんのかよ!」
「うん。謝ってくれたし、反省してるみたいだし。だから、もういいよ」
「あのなぁ……こいつは……」
「聖が決めることじゃないでしょ?当事者の私がいいって言ってんだからいいの」
私は聖が何か言おうとした言葉を遮ってそう言った。
最初は怖かったけど、でも話を聞いてると悪い人じゃなさそうって思ったから……。
「そうだけど……」
なんか納得のいかない様子の聖。
「なぁ、お前、このマンションの住人だろ?」
聖は男の方を見ると、そう聞いた。
「はい……」
「親は?」
「親は、実家にいます」
「はっ?このマンションに一人暮らしかよ。働いてねぇのに」
「はい……大学の時から住んでて……それで、あの親がお金を……」
もしかして、この人、おぼっちゃま?
大学の時からこのマンションで一人暮らしって……。
ここに住んでる私でも凄いと思ってしまう。



