「桐野?」
「ん?」
「お前、どうしたい?」
「えっ?何が?」
私は聖を見た。
「この男をどうしたい?」
えっ?どうしたいって……。
警察に被害届出したりとか、そういうことだよねぇ?
私は男の方を見た。
下を向いたままの男。
「警察に突き出す?」
聖がそう言ったと同時に男が顔を上げた。
「それだけは勘弁して下さい……お願いします……」
男はそう言って土下座をする。
「おめーが決めることじゃねぇんだよ!」
「わかってます。だけど、警察だけは……」
「あの、もうしませんか?」
私は男にそう聞いた。
男はコクコク頷く。
「もう、しません……本当に本当にスミマセンでした……」
「……じゃあ、いいです」
「えっ?」
男が私を見る。
「もう、いいです」
「ありがとうございます!」
男はそう言って再び土下座をした。



