どれくらい時間が経ったんだろう……。
自分の感覚では、ずいぶん経ってるように思える。
聖に何かあったら……。
聖のことは大嫌いだけど、この時ばかりは聖の無事を祈っていた。
「桐野!」
玄関の外から聖の声が聞こえてきた。
ゆっくりと立ち上がり、玄関をゆっくり開ける。
聖の隣。
聖に腕を掴まれていたマスクにメガネの男がいた。
背中がゾクリとする。
「こいつ?」
聖の言葉に私はコクコクと頷いた。
聖の隣にいた男は俯いたまま。
「これから、こいつと話をするから、桐野は戸締りして部屋にいろ」
聖はそう言って、男の腕を引っ張る。
玄関がパタンと閉まる音が響いた。
私は慌てて靴を履き、外に出る。
「…………待って!」
聖が自分の部屋の玄関の鍵を開けようとしていた手を止めて、こちらを見た。
「ん?」
「わ、私も一緒に話を聞く」
聖が目を見開いて私を見た。
怖い。
聖の隣にいる男が怖い。
でも、どうして盗聴器なんて仕掛けたのか、理由を知りたかった。



