リビングに入って、ソファに座る。


座ると言うより、身体の力が抜けて倒れ込むって表現が正しいのかもしれない。


とにかく疲れた。


いろんなことがあり過ぎて。


非現実的なことが現実に起こってしまって……。


今まで普通に生活して来て、特に何か怖い目に遭ったとかそんなこともなかった。



「…………てかさ、何で聖が一緒にリビングに入って来るわけ?もう終わったでしょ?自分ちに帰りなよ」



私の後にリビングに入って来て、私の隣に座った聖にそう言った。



「お前さぁ、何で気付かなかったの?」



私の言葉を無視して、聖はいきなりそんなことを言ってきた。



「何が?」


「いきなり換気扇の点検とか、おかしいだろ?」


「そんなんわかるわけないじゃん。いつもはママが家にいて、そういうことは全てママが対応してたし……」


「普通は、そういうことがあったらエントランスの掲示板に貼り出されるか、管理人のジーさんが教えてくれるもんなんだよ」


「そんなこと言われても知らないよ……。ちゃんと作業着を着て、社員証を見せられて、点検終了の紙までもらったら信用しちゃうでしょ?」


「作業着なんてどこでも買えるし、社員証や点検終了の紙なんてエクセル使えば簡単に作ることが出来るんだよ。親が留守してるとか言えば良かっただろ?」



あぁ!もぉ!



「煩いよ!私はもう疲れたの!説教なら明日聞くから、もう帰ってよ!」



自分が悪いのに……。


聖は私を助けてくれたのに、なのにイライラして、私は叫ぶようにそう言った。