No.1 日常


ピピピッピピピッ
「うぅ~……」
私は布団から手を伸ばし目覚まし時計を止める。
「凪ー!?起きなさぁい!杏里ちゃん来てるわよぉ!!」
1階からお母さんのうるさい声が響く。
「わかってる~!ん~…………え、今なんて言った!?杏里もう来てる!?嘘でしょ!?」
私はあわてて枕元にあった時計を見る。
「もうこんな時間!?遅刻じゃんッ!!」
私は急いで自分の寝癖でボサボサの髪を必死にくしでとかす。
私の髪はショートだから寝癖なんかすぐに直る。とりあえず急がなきゃ!!
バッタバッタッ
「あ、やっと起きた。ごめんねぇ杏里ちゃん。今度ちゃんと言っとくから。」
「大丈夫ですよ。いつもの事ですから。」
「ホントにごめんねぇ。」
急ぎ足で階段を降りる。
「お待たせ!行こう!杏里!!」
「ちょ、凪!?朝ごはんは?」
お母さんがおにぎりを私に差し出す。
「いらないっ!!もう学校行く!」
「はいはい。気をつけてね!いってらっしゃい!」
「いってきます!」
「お邪魔しました!」
杏里は軽くおじぎをして家を出た。