あの日の向日葵。

No.4 空気のような私


ガラガラ
1-Aと書かれているドアを開ける。
ドアを開けた瞬間、
「おっはよー!!太一!!!」
一人の女の子が思いっきり太一くんに飛びついて来る。
「おはよ。佳音!お前、朝から元気だな。さっきの結構痛かったぞ。」
太一くんは痛そうに右腕をさすっている。
太一くんに飛びついてきた女の子は田辺 佳音。
この前、太一くんと話してた女の子だ。
まぁ、いわゆるキャピキャピ系の女子。
佳音は私を無視して太一くんに喋り続ける。
「今日は来るの遅かったね!!」
「そうか~?いつもと変わんねぇよ?」
「ふふっ!そうだ!ちょっとこっち来て~!!」
佳音は太一くんを教室の外に連れ出そうとする。
あっ、行っちゃう……。もっと太一くんと話したかったな。
まぁ、しょうがないか。太一くん人気だもんね……。私の彼氏じゃないし。田辺さんの方が可愛いし。田辺さんと話してた方が楽しいに決まってる。
「わりぃ。佳音。俺、今は凪と話したいからさ。また今度な!」
えっ……!?
「えぇぇぇ!なんでよぉ~!てか、凪って誰!?」
「この子。」
太一くんくんが親指で後ろにいた私を指す。
その瞬間、田辺さんは私の事を思いっきり睨んでくる。
うっ、怖い…………。