あの日の向日葵。


杏里は私に彼氏の話をしてくる。これが日課。
杏里はサッカー部のキャプテン、宇佐美 奏人先輩と付き合っている。
宇佐美先輩は結構イケメン!!
1週間前、宇佐美先輩から告白されたらしい。杏里、すごいな!
杏里は宇佐美先輩の事をめっちゃ愚痴ってくる。
だけど、どこか楽しそう。
「幸せそうで何よりだよ。」
「どっこが!?不満ばっかたまんの!!奏人ウザイとこいっぱいだし!」
「とか言って、別れてないでしょ?ケンカするほど仲がいいって言うし!それに、宇佐美先輩の事、嫌いじゃないでしょ?」
杏里は頬を赤に染めて、
「嫌いではないけど………」
「愚痴ならいくらでも聞くからさ!でも、恋愛ってすごいね!杏里をここまで変えるなんて。杏里めっちゃ乙女じゃん!」
「ちょっと、それどういうこと!?あたしが普段、男勝りって言いたいのか!?まぁ、でも恋愛はいいよ!凪もしなって!!」
「相手がいないよ。悲しい事に…………」
「ホントにお前悲しいな。あっ、青野君とか~?」
杏里がニヤニヤして私に言ってくる。
「ねぇ!何で太一くんが出てくんの!?」
「だって、いつの間にか太一くん呼びだし。」
「そ、それは本人がそう呼べって言うんだからしょうがないじゃん。」
「あっそ!てか、あたし奏人に用があるからちょっと行ってくる!」
「え……」
あ、もう学校だったんだ。今日はあっという間に着いたな……。