嫌い、嫌いも好きのうち




どうも、その笑顔にやられたのは


クラスの女子ばかりでなく、


千晴もだったようだ。


クラスの女子で稜が人気なのは知っていた。


皆さん忘れてるかもしれないが・・


俺は勘が鋭いからな。


でも、俺が最初は気づかなかった。


なぜかって?


席が隣同士で絵をかく図工の授業の時だ。


稜は絵が下手で、千晴を書いたんだが・・


すっごい不細工な絵に仕上がっていた。


普通の稜が好きだ、という女なら


泣くところだろう。


だが、千晴はその絵を見ても


ケロケロっとした顔をしていた。


俺は「稜はないな。」と思ったんだ。