いつも混み合う時間のいつもの場所。
私が降りる駅は人が増えてきて、なおかつ降りる人が少ない駅のため、いつも必ず扉の隣の席に座る。
幸い乗るのは始発の駅なので、大体いつも座ることが出来る。

ただ今日に限って寝坊。
いつもより一本遅い、遅刻ギリギリの電車に乗るハメになった。

その分、乗る人もやや少ない。
普段よりもガランとした電車。

ふっと、隣に誰かが座った。
これだけ空いてて隣に座る人は珍しい。
知り合いかとも思ったが、そうではないらしい。
見たことのない顔に他校の制服。
もしかしたら彼もまた、私と同じようにいつもの場所があって、ここがそうだったのかもしれない。

そんなことを思いながら、私はイヤホンを耳に挿した。
隣の彼は随分と眠そうにコックリコックリと揺れていた。
電車が揺れる度にバランスを崩しかけて、ぼんやりと起き、また眠る。

すこしだけ楽しいものを見れた。
そんな気分で私は学校へ向かった。