だから今君に好きな人がいるのも知ってる。
たまに私が部屋まで呼びに行くと耳たぶの先っぽだけが赤くなってるの。
昔、君が好きな子に告白した時と同じ。
よく君に相談されてたよね。
あの時も近くで隠れててっていう君の頼みで見ていたんだっけ。
肉食系に見せかけて、わりとナイーブだよね。
よく彼女の相談も受けてた。
君の嫌いなところ挙げるなら、そういう鈍感なところ。
話さなくなったのはきっと中学でクラスが離れてから。
お互いそういう年頃だもの。
そのまま高校生、学校も離れて会うことなんてなくなった。
けど、絶対に言ってやんないけど一つわかったの。
君以上の人がいないの。
だからだよ。
君が一番好きなの。
他にいい人がいないから、ただそれだけなの。
「ねぇ」
話しかけるつもりで出した声じゃない。
ただなんとなく、ふっと出ただけの声。
「なに?」
背中越しで君の声が聞こえる。
次の言葉を何を紡ごうか。
「ねぇ」
あれ、私そんなに間あけてた?
君からの声。
「今何考えてる?」
「なんでしょう」
そこでまた沈黙。
「強いて言うなら家族愛と恋愛の価値についてかな?」
嘘ではない。
いやむしろ本当のことだ。
君はふぅん、と素っ気なく適当な返事だけを残した。
「そういう君は?さしずめ好きな子のこととか?」
げほっとむせこんだ。
あぁ、やっぱりいるんだね。
私と話しながらでも頭から離れないほどの、君の好きな人。
「な、んでそうなるんだよっ!」
「んー?あれあれー?もしかして図星なのかな?」
今までと同じ、ふざけた対応。
男友達と変わらないほどの冷やかしと好奇心。
肩越しに君の方を振り向いてみる。
あぁ、ほら。
赤くなってるよ、先のところだけね。
「紹介してくれてもいいんじゃない?君と私の仲だろう?」
「どんな仲だよ…」
「幼馴染で兄妹な仲」
呆れたようにふっと息をつく。
「お前らしいな」
褒めているのだろうか、貶しているのだろうか。
でも君が笑った。
あの時からちっとも変わらない顔で、笑った。
たまに私が部屋まで呼びに行くと耳たぶの先っぽだけが赤くなってるの。
昔、君が好きな子に告白した時と同じ。
よく君に相談されてたよね。
あの時も近くで隠れててっていう君の頼みで見ていたんだっけ。
肉食系に見せかけて、わりとナイーブだよね。
よく彼女の相談も受けてた。
君の嫌いなところ挙げるなら、そういう鈍感なところ。
話さなくなったのはきっと中学でクラスが離れてから。
お互いそういう年頃だもの。
そのまま高校生、学校も離れて会うことなんてなくなった。
けど、絶対に言ってやんないけど一つわかったの。
君以上の人がいないの。
だからだよ。
君が一番好きなの。
他にいい人がいないから、ただそれだけなの。
「ねぇ」
話しかけるつもりで出した声じゃない。
ただなんとなく、ふっと出ただけの声。
「なに?」
背中越しで君の声が聞こえる。
次の言葉を何を紡ごうか。
「ねぇ」
あれ、私そんなに間あけてた?
君からの声。
「今何考えてる?」
「なんでしょう」
そこでまた沈黙。
「強いて言うなら家族愛と恋愛の価値についてかな?」
嘘ではない。
いやむしろ本当のことだ。
君はふぅん、と素っ気なく適当な返事だけを残した。
「そういう君は?さしずめ好きな子のこととか?」
げほっとむせこんだ。
あぁ、やっぱりいるんだね。
私と話しながらでも頭から離れないほどの、君の好きな人。
「な、んでそうなるんだよっ!」
「んー?あれあれー?もしかして図星なのかな?」
今までと同じ、ふざけた対応。
男友達と変わらないほどの冷やかしと好奇心。
肩越しに君の方を振り向いてみる。
あぁ、ほら。
赤くなってるよ、先のところだけね。
「紹介してくれてもいいんじゃない?君と私の仲だろう?」
「どんな仲だよ…」
「幼馴染で兄妹な仲」
呆れたようにふっと息をつく。
「お前らしいな」
褒めているのだろうか、貶しているのだろうか。
でも君が笑った。
あの時からちっとも変わらない顔で、笑った。

