ちぐはぐ恋模様

バツが悪そうに顔を背け、何も言わない。

「知ってたんでしょ?なんで言わなかったの」
「…おもしれーからからかってたんだよ」

開き直ったようにいつもみたいに妙な明るさを取り戻した。

「それなのにあたしのこと大事にしてるって近藤が言う?言わないよね」

何も答えない。

「明智、あたし今度はちゃんと動いたよ」
「……」
「今度は明智が動く番じゃない?」

明智はしばらく黙っていた。今はあたしが何を言ってもダメだ。

「……来ないかもっていっただけで泣くような奴に言えるかよ。大体、あいつが自分でまいた種だ、自分で言えって話だよ。なんだって俺があいつの代わりに大事なヤツ傷つけなきゃなんなねーんだよ」

吐き捨てるように、どこか苦しげにそう言った。

「明智。あたし、近藤のこと好きでも何でもないよ?」
「…は?」

何を誤解してるのだろうか。

「いやだってお前、ふつー会えなくて泣くか!?」
「だってこのままずっと会えないなんて嫌じゃん!近藤であれ、明智であれ、同窓会だってあるのにそれですら会えないなんて寂しいじゃん…」

近藤が特別なわけじゃない。誰だって失いたくはない。明智だってそうだ。

「…んだよそれ。俺はほかのヤツと同じなのかよ」

グイッと腕を引っ張られ、体制が少し崩れる。

「…っ!?」
「……っ」

どれほど経っただろう。気付けばあたしはもう、明智しか見ていなかった。

「ったく。いい加減気づけバーカ」

夏の暑い夜、明智はさらにあたしに熱を灯していった。