今日もまた、俺は音楽室へ足を運ぶ。
一直線の教室前の廊下に西日が差し込む。
日が沈むのにあわせてか、ゆったりしたバラード調の歌が聞こえてくる。
あいつの声だ。
「おい」
ビクッと肩を震わせ、恐る恐る振り向くあいつは相変わらず。
俺の顔を確認してほっとしたように息をついた。
「なんだ、あんたか。びっくりさせないでよね」
途端の口の悪さも相変わらずだ。
強気で自信家で、そのくせビビリ。
そして今の俺のパートナー。
「準備はできてるんでしょうね」
カタンと椅子を引き、ピアノの前に座る。
あいつに合わせた高音のバラード。
「違う。ここはもっと伸ばせ」
人前で歌えないあいつが必死で俺についてこようとする。
「そう、そのまま。ここで一気にあげろ」
こうやって、俺達は毎日ひっそりと音楽室へ通っている。
あいつの夢と、俺のやりたいことが一致してるから。
あいつは歌手になりたいという夢、俺は作曲をしてみたいというやりたいこと。
「あんた、鬼…?」
ぜぇぜぇと息を切らせたまま睨みつける。
手抜きなんかするわけがない。
させない。
俺は妥協したくないからな。
一直線の教室前の廊下に西日が差し込む。
日が沈むのにあわせてか、ゆったりしたバラード調の歌が聞こえてくる。
あいつの声だ。
「おい」
ビクッと肩を震わせ、恐る恐る振り向くあいつは相変わらず。
俺の顔を確認してほっとしたように息をついた。
「なんだ、あんたか。びっくりさせないでよね」
途端の口の悪さも相変わらずだ。
強気で自信家で、そのくせビビリ。
そして今の俺のパートナー。
「準備はできてるんでしょうね」
カタンと椅子を引き、ピアノの前に座る。
あいつに合わせた高音のバラード。
「違う。ここはもっと伸ばせ」
人前で歌えないあいつが必死で俺についてこようとする。
「そう、そのまま。ここで一気にあげろ」
こうやって、俺達は毎日ひっそりと音楽室へ通っている。
あいつの夢と、俺のやりたいことが一致してるから。
あいつは歌手になりたいという夢、俺は作曲をしてみたいというやりたいこと。
「あんた、鬼…?」
ぜぇぜぇと息を切らせたまま睨みつける。
手抜きなんかするわけがない。
させない。
俺は妥協したくないからな。